本、読んでみない?

紙の本をこよなく愛する読書マニアによる読書のススメ!本、読んでみない?

ある朝目覚めたら、自分の身体が人でなくなっていた。「変身」

皆さんこんばんは!

 

今日は文学を紹介する回でしたね。

文学と聞くと

どうもお堅い感じがするというか

何が言いたいのかよくわからない

と思うと思います。

 

それはおそらく学生時代

現代国語の教科書で

抜粋された文学を読んだからだと思います。

 

文学は

フルで読むから

面白いのに!

 

もったいないです。

でも長ったらしいのは嫌ですよね。

 

今日は比較的短めの

文学×コメディ

で文学デビューしちゃいましょう!

 

 

1. カフカという人物

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出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/フランツ・カフカ

今回紹介する小説は

チョコ出身のユダヤ

フランツ・カフカ(Franz Kafka)

の作品です。

 

その名も「変身」

 

「変身」は

カフカが生きていたころに発表された作品で

主人公が巨大な虫に変身していく様を描いた

ブラックユーモアです。

 

彼の死後、友人のマックス・ブロートが

カフカの未発表の作品を世間の公表し

それらの作品は文学界に大きく影響を及ぼし

20世紀を代表する作家として

現代まで名を残しています。

 

 

2. 「変身」あらすじ

 

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出典:https://www.amazon.co.jp/変身-新潮文庫-フランツ・カフカ/dp/4102071016

 

ある朝目が覚めると、

何やら自分の身体がおかしい。

 

主人公のグレーゴルは

セールスマンとして働いている

ごく普通の男性です。

 

それが、ある朝起きたら

何やら自分の身体がおかしい。

 

どこもかしこも思うように動かせないのです。

 

手が伸ばせない。

首が上げられない。

 

それもそのはず。

朝目が覚めると

彼は巨大な芋虫になっていたのです!

 

こりゃまずい。こりゃまずいですよね!?

 

まずいまずいと思いながら

グレーゴルは身体を確認していきます。

 

手は動かせる。よしよし。

次は脚だ。

 

しかし朝、会社員ならそんなことしている時間、

ありますかね?

 

もちろんないです。遅刻です!!

 

慌てるグレーゴル。

部屋から出ようとしない息子を心配する親。

出社してこないグレーゴルの様子を見にきた支配人。

 

さぁ、ドタバタ劇場の始まりです。

グレーゴルの運命はいかに。

 

 

3. もしも自分が人と異なる存在だったら

 

満足にコミュニケーションが取れない元人間の巨大な芋虫が

人とうまくやっていくところを

想像できますか?

 

きっと仲良くするには虫笛が必要ですね。

 

グレーゴルだって

わかっていたのです。

誰も助けてはくれないだろうと。

 

しかし、それでも希望にすがりたくなるのが

人という生き物です。

 

そして、排他的な姿勢を見せるのも

人なのです。

 

カフカユダヤ人でした。

カフカが生きた時代、ドイツ人とユダヤ人の関係は

悪化の一途を辿っていました。

 

きっと、差別もされたことでしょう。

世の中の不平等に対するカフカの主張は

巨大な芋虫が代弁しているのかもしれません。

 

昨日まで一緒に働いていたのに。

姿が異なるだけで

この仕打ちか、と。

 

人とは残酷な生き物ですね。

 

 

文学作品には

その作品が生まれた時代背景

作者の心のうちが込められていることが多いです。

 

例えば、ディズニー映画にもなった

「クリスマスキャロル」は

貧富の差の激しかったイギリスで生まれました。

 

作者ディケンズのメッセージ

「弱者であるからこそどう生きるのか?」は

クリスマスという誰にでも訪れるお祝いの日に

心をなくした貴族の男が改心していく様に

描かれています。

 

読む前に、少しだけでも作者のことや

書かれた時代のことを調べてみると

気づくことがあるかもしれませんね。

 

でも、それを抜きにしても

「変身」は面白そうじゃないですか?

 

巨大な芋虫になった男の奮闘劇

 

パワーワードしかないこのストーリー

最後まで純粋に楽しめるはずです!

 

深く考えず、お試し程度に手を伸ばして見てください。

 

 

それでは今日はこれくらいにしておきましょう。

次は何がいいですかね?

文学作品が続くと疲れてしまうので

のほほんとした平和なストーリーで

箸休めでもしましょうか。

 

次は、作中でも色んな本が登場する

青春×恋愛小説でもいってみましょう。

 

お楽しみに!

 

変身 (新潮文庫)

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変身 (角川文庫)

変身 (角川文庫)

 

 

変身・断食芸人 (岩波文庫)

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