恋と未来とタイムリープ「時をかける少女」
皆さんこんばんは！
今日はあの有名なタイムスリップ小説を紹介いたします。
青空を背景に全力疾走する少女。
ショートヘアで活発そうな彼女は
好きな人にもう一度会うために
全力で飛びました。
「タイムリープ」したのです。
未来から来たという少年に会うために。
もう、お分かりですよね？
今日ご紹介するのは
「時をかける少女」です。
1. 時をかける少女（原作）
作者：筒井康隆
刊行日：1967年3月
細田守監督のアニメーション映画で
一躍有名になった「時をかける少女」ですが
原作はなんと今から52年前なのです！
信じられないですね。
「SF御三家」と呼ばれているほどの
大御所SF作家です。
その作品にはエスパーや宇宙人なんかも登場し
実にブラックユーモアに富んだ
個性的な作風でした。
気づけば町の人々が全員宇宙からきた化け物になっていたり
テレビに映っている人が突然画面から出てきたり。
そんな奇抜なストーリーを生み出す天才なのです。
そんな筒井康隆が、まさか少年少女の恋愛と青春を描くなんて。
想像できますか？
2. 「時をかける少女」（原作）あらすじ
原作版、時をかける少女の主人公は芳山和子。
中学3年生の和子は
同級生の深町一夫や浅倉吾郎と
３人で仲良く学生生活を送っていました。
そんなある日、掃除当番で
理科室を掃除をしていたところ
実験室から漂うラベンダーの香りで
意識を失ってしまいます。
目を覚ました後、
特別何か変わったことはありませんでしたが
とある日の朝、
吾郎が交通事故に巻き込まれたことで
和子の不思議な能力が発覚します。
交通事故に巻き込まれた瞬間、
和子は無意識に
1日前にタイムリープしたのです！
交通事故を未然に防ぐことができた和子は
この不思議な能力をふたりに打ち明けました。
能力が真実であることを証明するため
これから起こる地震を予知し
ふたりも和子の能力が本物だと確信します。
しかし、どうやって和子は
この不思議な能力を身につけたのか。
理科室で嗅いだ、あのラベンダーの香りに
何か隠されているのではないかと推測し
和子は4日前の理科室を見張ることにしました。
理科室を見張ること数時間、
和子は思いもよらぬ人物に出会います。
現れたのは、深町一夫だったのです！
彼は西暦2660年から来た未来人で
未来では貴重とされるラベンダーを採取するために
この時代にやってきたと告げます。
記憶を操作できる一夫は、最終的には和子から
自分に関する記憶を消してしまいますが
この先いつか、今とは異なる姿で
もう一度和子の前に現れることを約束し
未来へ帰っていきます。
記憶を消された和子は
それでも無意識に「いつか会うはずの誰か」を
待ち続けることになるのです。
3. アニメと原作の関係
アニメをすでにご覧になった方は
原作のあらすじを読んで驚かれたのではないでしょうか？
大きくこの3点ですね。
アニメ版ではタイムリープの力の源は
クルミの殻のようなものでした。
そして真琴の能力を知るのは
魔女おばさんだけです。
真琴の力を知った未来人の千昭は
「未来で待ってる」と言い残して去ります。
なぜアニメ版は原作からこんなに変更したでしょうか？
答えは、原作で力を手に入れたのが
和子だからです。
実は和子こそ、アニメにも登場した
「魔女おばさん」なのです。
「誰かが自分に会いに来る」ことを信じて
大人になった今でも待ち続けているのです。
ブラックユーモアに富んだSF小説作家
筒井康隆が生み出したSFラブストーリー。
中学生の少年と少女が
時を越えて出会い、恋に落ちる
もしもあなたがタイムリープの力を手にしたら
何に使いますか？
もう少し語りたいところですが
今日はここらへんで終わりにしましょう。
次はタイムリープつながりで
ある不思議な生き物に取り憑かれた少年の話を紹介します。
そこはまるであの世とこの世。
異世界を行き来できる少年と、彼を守る女用心棒の話です。
お読みいただきありがとうございました！
