本、読んでみない?

紙の本をこよなく愛する読書マニアによる読書のススメ!本、読んでみない?

無限の選択、ひとつの道。「四畳半神話大系」

皆さんこんばんは!

 

今日はコメディを紹介する日でしたね!

紹介する本は

京都を舞台に、京都大学に通う

とある男子生徒が

周りに振り回されながらも

ひとりの女子大生を追いかけ続ける

そんなお話です。

 

大学1回生の春。

押し寄せてくるサークル勧誘の波に乗り

選択したサークルから

全ての歯車が崩れていきます。

 

あの時このサークルではなく

あのサークルを選べばよかった。

 

そんな後悔を感じた時

時間は大学1回生の春に巻き戻り

別のサークルを選ぶチャンスが訪れます。

 

果たして運命のサークルは見つかるのか。

 

四畳半神話大系」スタートです。

 

 

1. 森見登美彦の作品

f:id:moon01book:20191009190236j:image

出典: https://www.amazon.co.jp/四畳半神話大系-第2巻-初回限定生産版-

 

作者の森見登美彦(1979年〜)の作品は

ほとんどの舞台が京都です。

 

京都大学出身ということもあり

京都中を知り尽くした人が書いたとわかるほど

情景描写が色鮮やかなのです。

 

今回紹介する「四畳半神話大系」や

夜は短し歩けよ乙女」は

ある大学生がひとりの女子大生を追って

何やら不思議な、というより

世界線がひとつズレた世界に

いつの間にか彷徨ってしまったような

そんな設定です。

 

今回の世界線のズレは

入会したサークルです。

 

 

2. 「四畳半神話大系」あらすじ

f:id:moon01book:20191009190135j:image

出典: https://www.amazon.co.jp/四畳半神話大系-第3巻-初回限定生産版-DVD-浅沼晋太郎/dp/B003LWI042

 

この本は、4つの並行世界が出てきます。

 

  1. もし映画サークルを選んだいたら
  2. もし樋口に弟子入りしていたら
  3. もしソフトボールサークルに入っていたら
  4. もし秘密結社「福猫飯店」に入っていたら

 

主人公の私は大学3回生の農学部所属。

薔薇色のキャンパスライフに憧れるものの

現実は一切薔薇色ではなく

むしろ悪友、小津のせいで

濁ったドブ色のような生活でした。

 

こんなことではいかん!

どこで間違えたんだ!

 

遡って考えていくと

そもそも入ったサークルが原因なのではないか

という考えに行き着きました。

 

もし違うサークルに入っていたら

 

小津のようなやつに人生振り回されたり

 

サークルの二枚目の先輩を妬んだりしなかったし

 

憧れの明石さんにもっと近づけたかもしれない

 

そして本当に

私は大学生活を何度かやり直すことになるのです。

 

しかしそれでも、

起は違えど

承で雲行きが怪しくなり

転で思いもよらぬトラブルに巻き込まれて

結で結局同じ結果を迎えるのです。

 

そしてついには

私は下宿先の四畳半の自室から出られなくなるのです。

 

 

3. 四畳半のその先に

f:id:moon01book:20191009190957j:image

出典: https://www.amazon.co.jp/四畳半神話大系-角川文庫-森見-登美彦/dp/404387801X/ref=nodl_

 

四畳半の自室から出られないとは

いったいどういうことなんでしょうか?

 

つまり、ドアを開けても

窓を開けても

外には同じく四畳半があるのです。

 

一体どこまであるのか、

いつか終わりがあるだろうと

次から次へと移動を続けても

結局何もありません。

 

途方に暮れた私は

あることに気づきます。

 

同じような四畳半ですが

微妙に違っているのです。

 

例えば残っている食べ物なんかが。

 

この四畳半は

つまりは人の選択肢の多さなのです。

 

どれを選ぶも自分次第。

その選択の影響は単発では大きくない

でも積み重ねると大きくなる。

 

そんな深いメッセージが込められた

四畳半の並行世界が

最後に私を薔薇色のキャンパスライフに導くのです。

 

あなたの目の前に

もしも似たような選択肢があったら

 

例えば隣り合うラーメン屋とか。

 

どちらかを選んだその選択は

次の選択に繋がっていきます。

 

あなたの選択が

あなたを幸せに導きますように。

 

 

それでは今日はここまでにしましょう。

次は、大事な約束を守るために

自分の進む道を自分で決めた

ふたりの男の子の話にしましょう。

 

お楽しみに!

 

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 
四畳半王国見聞録(新潮文庫)

四畳半王国見聞録(新潮文庫)