700年。日本の明日へバトンを渡す 「もののふの国」
皆さんこんばんは！
今日は日本史絡みの小説を紹介します。
皆さんは日本史はお好きでしょうか？
学校で無理やり勉強させられた歴史。
何やら難しい用語ばかりで
先生の説明も右から左へ受け流す。。。
気持ち、わかります。
教科書だけではつまらないんですよね。
歴史とは
言わば誰かの生き様を繋いだリレーです。
バトンを渡すまで、それぞれが胸に抱いた
夢。野望。想い。
これらを知って初めて、歴史を面白いと感じられるものです。
今日ご紹介するのは
題材にした小説です。
でも、ただの歴史本ではありません。
この小説は、ちょっとしたルールに則って
執筆されたらしいのです。
1. 螺旋プロジェクト
【プロジェクト概要】
「小説BOC」１～10号に渡って連載された企画です。
執筆者は全員で８名。
それぞれが選択した時代をテーマに
３つのルールに則って「海族」と「山族」の生き様を描きます。
【３つのルール】
- 「海族」と「山族」の対立を描く
- 全ての作品に共通の「隠しキャラ」を入れる
- 共通のアイテムが任意で登場する
【プロジェクト参加作家】
- 吉田篤弘 「天使も怪物も眠る夜」(未来)
- 朝井リョウ 「死にがいを求めて生きているの」(平成)
- 伊坂幸太郎 「スピンモンスター」「シーソーモンスター」(昭和後期・近未来)
- 乾ルカ 「コイコワレ」(昭和前期)
- 薬丸岳 「蒼色の大地」(明治)
- 天野純希 「もののふの国」(中世・近世)
- 澤田瞳子 「月人壮士」(古代)
- 大森兄弟 「ウナノハテノガタ」(原始)
2. 「もののふの国」あらすじ
この本は
西南戦争で日本最後の武士として散った
西郷隆盛までを描いています。
螺旋プロジェクトに則って
物語には歴史の調整役である、
「長老」と呼ばれる者が登場します。
碧と黒のオッドアイ。片方だけ大きな耳。
この不思議な存在が、時折登場し
日ノ本の運命を担う人物に助言をするのです。
ただ、それ以外はただの歴史小説です。
目新しい設定もエピソードもありません。
しかし、武士の700年のリレーを描いている
そこにこの小説の価値があると思うのです。
時代が変われば武士のあり方も変わります。
源義経のように
「打倒平家」を掲げ、時には親族さえも討った武士もいれば
織田信長のように
刀ではなく、鉄砲を起用した新しい戦法で敵を迎え撃つ武士もいました。
彼らは決して合間見えることはなかったけれども
歴史のバトンはしっかり手渡されていた。
そのことを改めて本書は教えてくれました。
3. 700年のリレーを振り返る
源平合戦の末、鎌倉に幕府ができた1185年より
日本の明日は武士によって繫れてきました。
国の行く末を案じ、武士の誇りを捨てなかった
自らの命を惜しむことなく、日本の明日のために生き抜きました。
そんな武士からバトンを渡され、現代に生きている私たちですが
果たして彼らの意思を継げているのでしょうか？
歴史の教科書に出てくる英雄たち。
なんて存在で終わってはいないでしょうか？
歴史を学ぶこと。
それは先人たちが繋いだリレーの軌跡を知ることです。
それは先の見えない険しい道のりだったはずです。
そして私たちも同じように険しく先の見えない道を走っています。
その険しさを乗り越える強さと
先の見えない不安に打ち勝つ勇気。
そして最後まで走り抜くことの誇りを
この本から教わってみませんか？
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。
せっかく歴史の本を読んだので
紹介したいと思います。
お楽しみに！
