本、読んでみない?

紙の本をこよなく愛する読書マニアによる読書のススメ!本、読んでみない?

喧嘩しても、恨んでも、それでもやっぱり友達。「桃花水 きみの待つ春のほとり」

皆さんこんばんは!

 

今日は青春小説がテーマでしたね!

学生の頃は何も思わなかったけれど

今となっては青春ど真ん中だった。

なんて経験、ありますか?

 

今日ご紹介する本は

 ある女子大生の物語です。

 

大学受験に合格し、ルームシェアを始めた二人。

これから始まる大学生活にワクワクしながら

桜降る季節に足を踏み出しました。

 

桜とともに訪れた二人の恋。

大学でも、まだまだ青春真っ只中です。

 

「桃花水 きみを待つ春のほとり」

 

1. 「桃花水 きみを待つ春のほとり」あらすじ

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https://www.amazon.co.jp/桃花水-きみを待つ春のほとり-ヴィレッジブックスedge-飯田雪子/dp/4863321384



この本は、以前紹介した飯田雪子さんの四季シリーズのひとつです。

春をテーマにした、大学生の恋。

四季シリーズで一番好きな作品なので

春まで待てませんでした!笑

 

季節外れですが、お付き合いくださいませ。

 

桃花と雛子は、偶然にも同じ日に生まれました。

そのことがきっかけで

性格が全く異なる二人は仲良くなりました。

 

桃花は自分の容姿に自信がなく

可愛い雛子をいつも羨ましいと思っていました。

対する雛子は、可愛い見た目に反して中身はサバサバで

ふつうなら喧嘩しそうなほど

二人は性格が真逆なのです。

 

そんなふたりには、ある約束があります。

それは、失恋した時に

たくさんケーキを買って

何も気にせずひたすら食べる。

そうしてまた前へ進むのです。

 

物語の始まりも、雛子の失恋が始まりです。

たくさんのケーキを買って

桃花はお気に入りのティーセットを出して

一輪の花でテーブルを飾って。

 

そして近況の話になりました。

 

引越し屋でバイトをしている桃花は

運搬ではなく梱包を担当しています。

ものが壊れないように丁寧に新聞でくるんで

男性陣が運びやすいように

重さのバランスを考えて箱詰めして。

 

そんな細かい気遣いができる桃花のことが

気になっている男性がいましたが

自分に自信のない桃花は少しも気づかず

でもどこか、その人のことが気になっていました。

 

2. 友達だから、ぶつかる

 

桃花が気になっている男性は「岡野」という人でした。

岡野さんも大学生でしたが

通っている大学が違うため

バイトの時だけ会う関係です。

 

そんなふたりをより近づけたターニングポイントが

犬の散歩のバイトでした。

 

バイトを通してどんどん近づいていく桃花と岡野さん。

そんなふたりをよく思っていない人がいました。

それが雛子です。

 

雛子と岡野さんは実は同じ大学で

雛子も岡野さんのことが気になっていたのです。

 

しかし当の岡野本人は、雛子といる時も

桃花の話ばかりするのです。

 

雛子からしたら、全く面白くないですよね。

岡野も桃花も鈍感なのです。

 

そんなふたりを見ていて、雛子はつい桃花に当たってしまいます。

ずっと一緒に過ごしてきたからこそ

桃花のいいところも悪いところもたくさん知っていて

憎むに憎めないのです。

でもふたりの恋を心から応援できない、そんな自分に嫌気もさしているのです。

 

この前のお茶会の意味を知った桃花は

雛子の気持ちに気づいて、ますます恋に遠慮してしまいます。

 

そんな桃花を見て、ますます腹がたった雛子は

ついに本音を口にします。

 

桃花の悪いところ。

自分の気持ち。

 

そして桃花も、雛子の悪いところを。

 

でもそれは、罵り合いではなくて

タイプの違うふたりが、お互いを羨ましがっているだけなのです。

 

人は無い物ねだりな生き物です。

つい、人のものがいいように見えてしまう。

自分が持っているものも、人から見ればいいものなのに

気がつかないのです。

 

桃花と雛子が口論を終えた時

ふたりとも心が軽くなっていました。

 

やはりふたりは友達で

お互いのことが大好きで

 

喧嘩するほど仲が良いのです。

 

 

3. 恋と友情の違い

 

桃花は最終的に

岡野さんと付き合うことになります。

 

もちろん、雛子に背中を押されて。

 

桃花は好きな人に思いが通じたのですが

それ以上に雛子に対する友情も感じていると思います。

 

友情は、時に何よりも強いものになります。

恋は情熱で、友情は絆だと

私は思っています。

 

友達とは、何にも縛られない存在で

年月が経つにつれて、切れたり繋がったりします。

 

そんな移ろいやすい関係の中で

太く強く繋がった縁があれば

それこそ、人生で最高の価値があると思うのです。

 

私にも、あなたにも

桃花と雛子のような関係を築ける友達が

たくさんできることを祈って

今日はここまでにしましょう。

 

次回はケータイ小説でもいってみましょうか!

お楽しみに。

 

 

桃花水 きみを待つ春のほとり (ヴィレッジブックスedge)

桃花水 きみを待つ春のほとり (ヴィレッジブックスedge)