本、読んでみない?

紙の本をこよなく愛する読書マニアによる読書のススメ!本、読んでみない?

何でも話せる文通相手。決して会えない愛しい人。「東京少年」

皆さんこんばんは!

 

今日はケータイ小説を紹介します。

前に紹介した、

ケータイがタイムスリップするお話を

覚えていらっしゃいますか?

 

「東京少女」

 

ケータイ小説から始まり

書籍化した本ですが

少女があるなら少年があるのは必然。

 

今日は

東京少年」を紹介します!

 

みなとは今日も

文通相手のナイトに手紙を書きます。

その日の出来事を綴った手紙を

ナイトは楽しみに読んでいますが

その日は心が凍りつきました。

 

ナイト、私好きな人ができたみたい!

 

嬉しそうにナイトに報告するみなとが

容易に想像できます。

 

みなとを守るのは俺だ。

堅く決心するナイトでした。

 

 

1. 「東京少年」あらすじ

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出典: 東京少年 (リンダブックス) https://www.amazon.co.jp/dp/4803001243/ref=cm_sw_r_cp_api_i_CqKPDbEJCTVWS

 

作者: 渡邊睦月・村上桃子

刊行: 2007年11月

 

みなとは幼い頃に両親を亡くしてから

心を開ける人は

文通相手のナイトだけでした。

 

その日の出来事をナイトに報告し

ナイトからの返事を毎日心待ちにしています。

 

ポストを開けたら

自分宛の手紙が入っている。

 

今じゃ考えられないですね!

 

ナイトも、みなとからの手紙を

いつも心待ちにしています。

それこそ生きがいのように。

みなとのことを

心から大切に思っているのです。

 

でも、そんなみなとに

好きな人ができてしまった。

 

自分の方が

ずっとそばで

今までずっと

みなとを守ってきたのに。

 

みなとの心を奪った相手を

ナイトは心底憎むようになります。

 

 

2. みなととシュウ、そしてナイト

 

みなとが好きになったのは

シュウという青年でした。

 

シュウは浪人生で

みなととはバイト先で知り合いました。

 

お互い意気投合し

そして迎えた初デート。

みなとは嬉しくて幸せで堪りません。

 

ふたりはデートの終盤に

広い公園に行き、

そこでシュウが

みなとにキスをしようとします。

 

その瞬間、なんとみなとが

突然気を失ってしまいます。

 

動揺するシュウでしたが

すぐに意識を取り戻したみなとは

どこか

様子が

おかしいのです。

 

女の子らしくて

可愛らしいみなとが

 

突然荒っぽい口調で

険しい顔をして

シュウの胸ぐらを掴んだのです。

 

二度とみなとには近づくな。

 

みなとの口から発された言葉。

まるで人が変わったかのような様子に

シュウはただ、抵抗しないで

呆然としていました。

 

突然シュウの前に現れたのは

みなとの中から出てきた

ナイトだったのです。

 

 

3. みなととナイト

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出典: 東京少年 (デラックス版) [DVD] https://www.amazon.co.jp/dp/B001ANDBH0/ref=cm_sw_r_cp_api_i_1rKPDbPESR9NC

 

事故で両親を亡くしてみなとは

心の病に侵され

二重人格になっていたのです。

 

天真爛漫な本来のみなとと

ひたすら自分を守るために

他人に対して牙を向くナイト

 

ふたりは同一人物でした。

 

そしてそのことを知るのは

ナイトだけでした。

 

ナイトだけが

自分がみなとに最も近い人間で

でもみなとから最も遠い人間で

手紙以外の方法では

決して交わることのできない存在だと

知っていました。

 

だからこそナイトは

大切なみなとを

他人から守るために

シュウに敵意を向けていたのです。

大切なみなとが

これ以上傷つかないように。

 

そのことを知ったシュウは

ナイトと向き合うことを決めます。

 

そして、みなともナイトも

両方が幸せになれる道を探します。

 

しかし、ナイトはわかっていたのです。

みなとを守れるのは自分じゃなくて

本当は自分こそが

みなとの背中を強く押さないといけないと。

 

みなとへの愛は

ただのエゴで

みなとを心から思うならば

みなとの中から消えなければならないと。

 

 

みなとから離れる決意をしたナイトは

シュウに頼んで

1枚の写真を撮ってもらいます。

 

みなとにどれだけ会いたいと言われても

決して姿を晒せなかった自分が

最初で最後に晒す姿。

 

みなとだけれど

みなとではない人

 

優しくて

でもどこか悲しそうで

 

写真を見つめるみなとを見て

シュウはナイトを思います。

 

もう、みなとの中から消えてしまった

もうひとりのみなとを。

 

この物語は

透き通るほどきれいで

切ないまでのやるせなさを織り込んだ

究極のラブストーリーです。

 

それでは、今日はここまでにしましょう。

次回はこの流れにのって

究極のラブストーリーを

もう一ついきましょう!

 

お楽しみに。

 

 

東京少年 (リンダブックス)

東京少年 (リンダブックス)