本、読んでみない?

紙の本をこよなく愛する読書マニアによる読書のススメ!本、読んでみない?

生への執着 王への道 「十二国記 月の影 影の海」

皆さんこんばんは!

 

今日はある王様と補佐の話でしたね。

前回ちょっと前振りしましたが

このストーリーは学校の教室から始まります。

 

学校から、王様。。。?

 

そんなことありえませんよね。

 

それもそのはず。

とある学校の教室で

麒麟と呼ばれる獣に連れ去られた

ある女子生徒は

土地を十二分割してそれぞれ作られた異世界

十二国のひとつ、慶国の王に選ばれたのです。

 

今回も、タイムスリップファンタジーです!

 

今回は、日本とも中国ともいえない

異世界へのタイムスリップです。

 

 

1. 十二国記 あらすじ

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出典: https://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/about/#map4

 

作者: 小野不由美

刊行: 2012年7月〜

 

十二国記は、文字通り12個の国の物語です。

大陸が12個に分かれており

そのひとつひとつを

王と麒麟が統治しています。

 

それぞれの国が

異なる王、法律、気候、文化を持っており

繁栄具合も様々です。

 

良き王に恵まれた国は栄え

悪王に統治された国は荒れ果てる。

全ては王が国の行く末を左右するのです。

 

王は麒麟によって選ばれ

誓約を交わすことで玉座に君臨します。

 

麒麟は自ら王を選定し

そして補佐をしますが

 

王が道を違えてしまった時は

王共々死ぬ運命にあるのです。

 

王をなくした国は

次の王が玉座に着くまで

安寧とは無縁の状態となります。

貧困や飢饉、災害などが

民を苦しめるのです。

 

そんなこの世界の人間は

胎樹と呼ばれる木から生まれるか、

海の向こうの別の世界から流されてきた者の

どちらかです。

 

今回の主人公、陽子は

海からこの世界に流されてきました。

 

 

いや、陽子の場合は

慶国の麒麟景麒に連れてこられたのでした。

 

 

2. 月の影 影の海 あらすじ

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出典: https://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/about/#map4

 

主人公陽子は、珍しい赤髪を持つ

とてもおとなしい女子高生でした。

人の顔色を伺い、周りに合わせることが

陽子にとっての当たり前でした。

 

しかし、そんな自分に嫌気がさしていた時に

運命の日は訪れました。

 

ケイキと名乗る男性が

陽子を探して学校まで訪れたのです。

 

魔物に追われながら。

 

実はこのケイキ、慶国の麒麟の景麒であり

主人を探して異世界までやってきたのです。

 

突然知らない男性が現れ

見たことのない魔物が教室を荒らし

突然剣を渡され

よくわからないまま戦うように命じられ

陽子は完全にパニック状態です。

 

命辛々魔物から逃れた陽子ですが

気づけば海に流されており

岸辺についた先は

もう日本ではありませんでした。

 

陽子は

自分を連れ去った男とはぐれ

自分を守る剣と

武術に優れた景麒の部下を身体に憑依させられ

見知らぬ土地で

彷徨うことになるのでした。

 

陽子が玉座につくまでの

壮絶な旅が幕を開けたのです。

 

 

3. 孤独と人間不信と唯一の友達

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出典: https://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/about/#map4

 

先ほどお話しした通り

この世界は胎樹から生まれた人間か

海から流された異世界人がいます。

 

海から流された異世界人は

差別され、嫌われる存在となります。

 

それは、この国と異世界をつなぐのは

「蝕」と呼ばれる災害だからです。

 

「蝕」が起これば海は荒れ

津波が人家を襲い、

畑を流し

ひどい時には子供が宿った

胎果を流してしまうのです。

 

そんな「蝕」を連れてくる異世界人は

海客と呼ばれ、忌み嫌われます。

 

陽子も例外ではなく

会う人会う人に嫌われ、裏切られます。

 

完全に人間不信になる陽子ですが

楽俊と呼ばれる半獣との出会いで

旅の行く末が大きく変わりました。

 

王がいない、荒れ果てた慶国ではなく

海客に寛容な延国の王に助けを求める

 

陽子の行き先は、闇雲に景麒を探すことから

延王に会うことに切り替わったのです。

 

人の顔色ばかり伺って

自分を出せない少女が

他人に裏切られ、

頼れるものが自分しかいない状況に追い込まれ

それでも心配する存在を見つけて

生きることを諦めなかった

 

この旅で、完全に人が変わります。

生への執着

陽子を強くし、陽子の人生を変えたのです。

 

異世界ファンタジーでは

大体の作品が、現代より異世界の方が

良い待遇で、良い運命が待っています。

 

陽子の場合は、最初からドン底で

一歩間違えれば死が訪れるような旅でした。

 

そして慶国の玉座についても

それは変わりません。

先王が女性だったというだけで

王としての陽子の評価は低く

誰もが羨む王の姿ではありませんでした。

 

それでも陽子は屈さず

慶国を背負う王として

自分の運命と向き合い続けるのです。

 

十二国記は、シリーズ物の作品で

慶以外の国も描かれています。

「月の影 影の海」を読んだ後

気になった国の作品に

手を伸ばしてみてはいかがでしょうか?

 

それでは、今日はここまでにしましょう。

次回は久しぶりに恋愛系でも行ってみますか!

 

手を滑らせて落としたケータイが

まさかのタイムスリップ。

 

拾い主はあの有名な。。。?

 

お楽しみに!

 

 

月の影  影の海 (上) 十二国記 1 (新潮文庫)

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月の影  影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)

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風の万里  黎明の空 (上) 十二国記 4 (新潮文庫)

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風の万里  黎明の空 (下) 十二国記 4 (新潮文庫)

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